思い出のレオーネ

人に言わせれば「モノ好きだなぁ」とか「こだわりすぎだよ」とか言われるかもしれませんが、私は、昔のスバル車の水平対向エンジンの音が好きでした。
大学1年生の時、普通免許を取ったのですが、あまり稼げるアルバイトはしていなかったので、車を買うなどという余裕は全くありませんでした。
当時私は実家暮らしで、ちょうど実家が自営業をしていた関係で、材料の仕入れ用に親父が乗っていたスバル・レオーネのエステートバンをよく借りて運転したものでした。
私が大学生当時、世間はバブルの絶頂期で、周囲の連中はバイトでガッツリ稼いで、好きなクルマを購入したり、中には生意気に新車を買って自慢する奴らもいたのですが、私の中ではあの当時から、親父のレオーネが一番最高なクルマだと思っていました。
実用本位の角張った外観で、目立ったスペックもなく、商用車ということもあって、なおさら地味なクルマではありましたが、アクセルを踏んだときの「バタバタ」というか「グジュグジュ」というような独特のエンジン音、そしてエンジン音とともにアクセルペダルを通じて足裏に伝わる振動の心地良さ…それが一番たまりませんでした。
荷台に親父の商売道具やら、さらに換気扇(!)など、めいっぱいに積み込みながら、サークルで仲の良い女の子を乗せて、週末はよくサークル帰りにあちこちとドライブに行ったものです。
私が社会人になってから、排ガス規制が厳しくなり、そのレオーネも規制に引っ掛かる関係で乗り続けることができなくなってしまい、泣く泣く廃車となってしまいました…
次に実家で買い替えたクルマは、2代目レガシィワゴンのTXでしたが、買い替えるに先立って、2代目レガシィが発売されたばかりのときに、スバルのディーラーに試乗しにいったのですが、あまりのエンジン音の静かさに、同乗していたディーラーの方に「音がしない」と思わずクレームを言ってしまったことが思い出されます。
それほど、あの水平対向エンジンの音と、アクセルペダルに伝わる振動の心地良さは、今となっても忘れることができません。